仏教行事では焼香する事が多くありますが、皆さんは焼香をどのようにしてみえますでしょうか?
意味合いは、お亡くなりになられた方などに、香りをお供えをするという事です。
作法は実は宗派によって様々であります。曹洞宗では、まず御霊前などに向かい合掌礼拝をし、ひとつかみのお香を右手の親指・人差し指・中指の3本の指で自分の額の辺りまでつまみ上げ、お亡くなりになられた方の事を思います。その時に左の手を添えます。そして炭にくべます。再度、右手で同じようにお香をつまみ、2度目は左手は片手で合掌し、上に持ち上げずに、そのまま炭にくべます。2度目の焼香の事を従香(じゅうこう)と呼びますが、お葬式などの時には1度目の焼香で構いません。2度目は添えるという意味合いです。茶道の世界でもお抹茶茶碗を回しますが、やはり1度で回すのではなくて、2度目を添えます。日本人の奥ゆかしさを表現しているのです。
また、他の宗派では、3回の焼香をするところもありますが、心を込めてお供えをして頂けたなら、きっとお亡くなりになられた方に気持ちが通じていく事と思います。
焼香香炉
お寺同士のお付き合いに良く使用されるグッズの紹介です。
「もらすべき」と書いて可漏(かろ)と呼びます。正式にはそれぞれ拝表(はいひょう)と呼ばれる色の帯が付きます。赤(祝事)・黄または青(弔事)・白(オールマイティ)と場面によって色を使い分けます。本可漏・略可漏共に奉書紙を折ったもので、基本的にお金を包む事に利用します。漏らす物がお金とはシャレていますね。
拝表に書かれている「献香(けんこう)」と言うのは、文字通りお香を献じる(お供えする)訳ですから、本来、ご本山やご本寺、または特別に訪問するお寺などのご本尊様へお香を献じ、お参りする事です。転じて金銭で代用する事もあります。
「九拝(きゅうはい)」というのは、私はあなた様をいっぱい奉っていますよ~という意味です。
その他に、「祝賀(しゅっか、お祝い)」「香資(こうし、香典・御仏前)」「謝誼(じゃぎ、お礼)」「菓誼(かぎ、手土産)」「換菜(かんさい、御馳走料)」「問候(もんこう、人を訪ねる時)」などなど、時節をわきまえて持参します。
かろ・はいひょう
お盆に曹洞宗ではよく『お施食(せじき)』、ここ林泉寺では昔からの呼び『お施餓鬼(せがき)』法要をおつとめします。六道輪廻の餓鬼だけではなく、「三界萬霊、ありとあらゆる(目に見えないもの)」にも感謝・施しを通じて、御先祖の供養にあてるのです。その時に、お塔婆をお渡ししています。
お塔婆とは元来「ストゥーパ(仏塔)」と呼び、お釈迦様のお骨を納骨する為の建物を指しています。後に日本に渡り、お釈迦様の仏塔になぞらえてご先祖のお徳をたたえ、供養の心を簡易的な板で出来ているお塔婆で表しています。片面は供養の対象・もう片面は大日如来の梵字(大日如来様をそのものをお造りしています)。形は凸凹としていますが、これは「地・水・火・風・空(万物そのもの)」の表れです。法要後は、それぞれのお墓、又はお仏壇にお祀りしましょう。
お塔婆(卒塔婆)
我々曹洞宗の僧侶が身に着けるもので皆様の馴染みが深いものにお袈裟があります。
お袈裟にもその縫い方により七条衣・九条衣・二十五条衣などがありますが、一番簡略のものに五条衣(絡子:ラクスと読みます)があります。表側には曹洞宗の両大本山、永平寺・総持寺の紋があしらわれています。その下の部分が五つの区分で縫われていますので、五条衣と呼びます。ちなみに裏側の白い布の部分は自由に描いても良いのです。
ここには刈谷の松秀寺さまに書いて頂いた『花開必結真実(花開けば必ず真実を結ぶ):心の花が咲けば、つまり求道の心を起こせば必ず悟りを結ぶことができる。仕事に専念すれば必ずそれなりの成果を得ることができる。』という激励のお言葉を賜りました。
絡子の裏書き
腕抜き(うでぬき)と呼びます。籐製品で、サイズも大・中・小とあります。汗で着物と腕がくっついてしまうのを防いでくれます。腕抜きをすると、脇まで風が入るので、涼しく感じる事が出来ます。これからの季節は必需となります。
私は好んで装着していますが、皆がしているわけではありません。
腕抜き
- 腕抜き装着